心理療法や心理カウンセリングを探す際、どのような基準でサービスを選べばよいのでしょうか。この問いは、多くの方が抱える共通の課題です。
心理療法やカウンセリングは目に見えない無形のサービスであり、その本質的な価値を正確に伝えることは容易ではありません。
多くのカウンセリング機関では、この課題への対応として「利用者様の声」などを活用しています。
実際に、「長野県 カウンセリング」などでインターネットで検索すると表示される多くの相談機関のウェブサイトでこのような声を目にすることができます。全国に検索範囲を広げれば、もっと目にすることができます。
当オフィスも開業当初は同様のアプローチを採用していました。認知度を高めたいという欲求から(あえて「目的」ではなく「欲求」と表現させていただきます)、心理療法や心理カウンセリングをご検討の方への参考情報として、過去に利用してくださった方の声(レビュー、口コミ)を掲載していた時期がありました。
しかし、現在は方針を変更し、利用者様の声の掲載を取りやめています。その理由を以下にご説明いたします。
エビデンスに基づく治療法の重要性は認識していますが、各個人の体験は十人十色です。
エビデンスは、これまでに同様の心理療法を受けられた多くの方々のデータから得られた知見です。
しかし、ここにいらっしゃるあなたの体験が、そのデータに完全に合致するとは限りません。他の方の体験は、あなたの体験とは必ずしも一致しないかもしれません。そのため、利用者様の声が真に参考になるかどうかは定かではありません。
口コミや評価を意識することで、お越しになる方が自分でも気がつかないのうちにプレッシャーを感じてしまう可能性があるためです。
このような考えから、プラットフォーム上での評価については、いただいた場合も最小限のリアクションに留めさせていただいております。
すでに評価をくださった方々には心より感謝申し上げます。
また、これは今後評価をくださろうとする方々の自由な行為や温かいお気持ちを制限しようとするものではありません。
ありがたいことに、Googleなどのプラットフォームでは、これまでに温かい評価をいただいております。そのような評価をくださった方々には、心より感謝申し上げます。しかしながら、上記の理由から、私たちからレビューのお願いをすることは控えさせていただいております。
利用者様からのレビューについては、以下のような方針で対応させていただいております。
この決断は、容易なものではありませんでした。事業継続には一定の収益も必要だからです。
しかし、利用者様を「マーケティングの手段」として扱うことは、私たちの理念に反すると考えています。
代わりに、私たちは以下の3つの柱を通じて、サービスの質の向上と信頼関係の構築に努めています。
当オフィスのカウンセラーは、定期的な研修を通じて専門性の向上を図り、より質の高いサービスの提供に努めています。
理論にも基づいた実践を心がけ、事例研究などを通じて得られた知見を論文としてまとめ、将来のクライアント様へより良いサービスを提供できるよう研鑽を重ねていきます。
教育、医療・保健、福祉、司法・矯正、労働・産業、様々な分野の専門家や機関との信頼関係を築き、必要に応じて適切な連携を図っています。
なお、この方針は他の機関の取り組みを否定するものではありません。それぞれの機関には、それぞれが大切にされている考え方があると理解しています。
サービスについてのご不明点や、カウンセリングを受ける前の不安は自然なお気持ちです。
どうぞお気軽にお問い合わせください。初回相談では、そういったご不安やご心配についても、丁寧にお伺いいたします。
また、現在カウンセリングをお受けになっている方へ。この記事は、皆様の率直な思いや表現を妨げることを意図したものではありません。むしろ、カウンセリングの場で様々な思いを自由にお話しいただければと考えています。